ミスマッチを防ぐための「本当に確認すべきこと」
入職面談で何を聞けばいいのか。
迷う人ほど、訪問看護に向いています。
訪問看護に興味はあるものの、
「どんな質問をすればいいのかわからない」
「忙しさが想像できず、不安が残る」
「同行やフォロー体制が本当のところどうなっているのか…」
そんな戸惑いは、決して珍しいものではありません。
むしろ、慎重に判断しようとする人ほど、訪問看護に向いていると言えます。
この記事では、入職面談の場で 本当に確認すべき視点 をまとめました。
ただ情報を整理するのではなく、
“思い込みを少しずつ手放す” ための問いも交えながら読み進められる構成にしています。
■ 「忙しさ」の正体は、“件数”だけでは見えてこない
多くの人が最初に気にするのが訪問件数です。
しかし、忙しさを決めている要素はもっと複雑です。
- 1件あたりの処置内容
- 移動距離・道路状況
- 書類作業をどこで行うか
- 緊急時のバックアップ体制
これらを知らずに「件数だけ」で判断すると、実態を誤解してしまいます。
「1日の流れを教えてもらえますか?」
「スケジュール例を見せてもらえますか?」
この2つを聞くだけで、働くイメージは一気に具体化します。
■ フォロー体制の“厚さ”は、面談だからこそ見える
訪問看護は、一人で訪問する前提だからこそ、
どれだけの安全網があるか が最重要ポイントです。
面談で確認すべきは以下の点です。
- 同行の期間または独り立ちの判断基準は何か?
- トラブル時の相談ルートは明確か?
- 判断に迷った際、誰がどうサポートしてくれるか?
- “手順”が言語化されたマニュアルは整っているか?
これらを聞いて初めて、
「安心して成長できる環境かどうか」が見えてきます。
逆に言えば、ここを曖昧にしたまま入職すると、
働く側も、受け入れる側も、双方にとってミスマッチが生まれやすくなります。
■ 面談は“条件確認の場”ではなく、“未来の働き方を想像する場”
多くの人が面談を「確認事項をする場」だと考えますが、本質はそこではありません。
- どんな利用者さんを担当するのか
- どの専門領域を伸ばしていけるのか
- チームはどの距離感で支え合うのか
- 意見や改善提案が反映される文化かどうか
こうした“働き方の価値観”は求人票には書かれていません。
面談こそが、それを見極める唯一の機会です。
■ 「自分にできるだろうか?」
その問いが生まれている時点で、適性は十分
訪問看護に興味を持ちつつ、最後の一歩が踏み出せない理由の多くは、
“自分への疑い”です。
しかし、経験者のほとんどが口をそろえて言います。
「不安があったからこそ、準備を丁寧にできた」
つまり、不安はマイナスではなく 安全意識の高さの証拠。
訪問看護では、それがむしろ強みになります。
大切なのは、
“不安をなくしてから動く” のではなく、
“不安を扱える環境で一歩踏み出す” こと。
■ ねこのて訪問看護ステーションでは
面談の場を「互いを理解する対話」と位置づけています
私たちの面談は、
応募者を評価するための場というより、
互いに“働き方の価値観”をすり合わせる時間です。
- 1日のスケジュール例の公開
- 独り立ちまでのロードマップの説明
- 研修・同行の具体的プロセス
- 専門性をどこまで伸ばせるか
- ICT活用・記録環境
- チームの距離感や連携スタイル
これらを丁寧にお伝えしながら、
「この人が安心して働ける未来は描けるか」を一緒に考えます。
■ 最後に:
“質問できる人”は、訪問看護で強くなる
訪問看護は、一人で訪問するからこそ、
“対話力” が仕事の質を決めます。
面談で疑問を言語化できる人ほど、
入職後も伸び、利用者さんに安心を届けられる存在になります。
もし今、
「聞いていいのかな」「失礼じゃないかな」
という迷いがあったとしても、どうか一度、その枠を外してみてください。
あなたが疑問に思うことは、
働くうえで必ず意味を持つ“重要なポイント”です。
そして、それを一緒に解消していく準備が、私たちにはあります。

