一人での訪問が「怖い」。
その不安は“才能の芽”かもしれません。
訪問看護に関心はあるのに、
「一人でケアするのが不安」
「判断を間違えそうで怖い」
「自分に務まるのか自信がない」
こうした声は、ほぼ例外なく誰からも聞かれます。
むしろ 不安を抱く人の方が安全意識が高く、訪問看護に向いている ことも珍しくありません。
ここでは、“怖い”という感情の正体を整理しながら、訪問看護という働き方が実はどういうものなのかを、少し別の角度から見てもらえればと思います。
■ 「病院とは違う」
そう思った瞬間に、成長のスイッチが入る
病棟は、医師・先輩・同僚・設備・モニター……
文字通り“チームの中”で判断ができます。
一方、訪問は一対一。
だからこそ、「責任が重すぎるのでは?」と考えがちです。
ですが、ここに誤解があります。
訪問看護は“一人でなんでも判断させられる仕事”ではありません。
実際には、事前情報の共有、同行期間、緊急時の相談体制、ケアの標準化など、複数の安全網が存在します。
“怖さ”は未知への不確実性によって生まれます。
そして、その不確実性は 仕組み で減らすことができます。
■ 「一人で訪問できるようになるステップ」は、誰にでもある
一般に、“入職してすぐ単独訪問”ということはありません。
多くの人は、以下の段階を経て経験を重ねています。
- 同行で学ぶ
- 部分的に任される訪問が増える
- 特定ケースでの単独訪問が始まる
- 判断基準が体に染み込む
このプロセスを経て、自然と“怖さ”は薄れていきます。
つまり、「怖いから自分には向かない」のではなく、
段階を踏めば誰でもできるようになる仕事 です。
■ 「不安を感じる自分」を過小評価していませんか?
訪問看護経験者の多くが、同じように不安を抱えてスタートしています。
むしろ、“怖さ”を感じるということは、
・利用者の生活リスクを丁寧に想像できている
・安全意識が高い
・慎重に準備する姿勢がある
こうした資質の表れでもあります。
訪問看護は、慎重で観察力のある人ほど大きく活躍します。
最初の感情だけで、可能性を閉じてしまうのはもったいないのではないでしょうか。
■ 「一歩踏み出す」ための問いかけ
もし不安が理由で訪問看護へ進めていないなら、問いを変えてみてください。
不安が消えてから挑戦しますか?
それとも、不安を扱える仕組みのなかで経験を積んでいきますか?
どちらを選んでも間違いではありません。
ただ、訪問看護は“経験によって自信が積み上がる仕事”です。
動かなければ、永遠に不安のままです。
■ ねこのて訪問看護ステーションでは
新人が“怖さ”を抱えるのは当たり前として扱う
私たちは、最初から完璧を求めません。
むしろ、「怖い」「自信がない」と感じる段階を正しく扱い、着実に独り立ちできるように段階的に支援します。
- 十分な同行期間
- 事前情報の共有
- 緊急相談の導線
- 標準化されたケア手順
- ケースごとの省察・振り返り支援(週1回のカンファレンス)
こうした体制は、新人を“勢いで現場に出す”ためではなく、
安全に成長していける道筋を整えるためにあります。
■ 最後に
「怖いからこそ、挑戦する価値がある」
訪問看護は、利用者の生活の質に直結する仕事です。
それゆえに、不安を持つのは自然です。
ですが、その不安はあなたの適性そのものかもしれません。
慎重さ、観察眼、責任感。
これらは訪問看護で最も求められる力です。
もし少しでも「やってみたい」という気持ちが残っているなら、
その芽を見逃さないでください。
ねこのて訪問看護ステーションは、
あなたが“怖さを越えていく瞬間”を、支える準備ができています。

